Research


海洋生物は生理活性物質の宝庫と呼ばれ、これまでに4万種にも及ぶ化合物が見出されてきました。これらの化合物の構造は、陸上生物由来のものには見られない構造や生理活性を持ちます。海洋生物はなぜ、どのように、そのような化合物を作り出すのか?これが私たちの研究の根底に流れる”問い”です。


・生物・細胞を巧みに攻略する海洋天然物

・海洋天然物で探る未知の生理現象

海綿レクチンThCが導いた新事実:糖鎖を介したサイトカイン受容体の活性化

・ダイシハーベインはグルタミン酸のサブタイプGlu1、2に協力に結合し、マウスを激しく痙攣させる

・ダイシハーベインの合成アナログMSVIII-19はマウスを昏睡させる:少しの構造の差が生理活性を反転?

・グルタミン酸受容体の働きを調節? 海綿レクチンCChGが示したがレクチンの新機能

・海洋生物のケミカルコミュニケーション戦略

・テルペンで探るアメフラシと紅藻の不思議な関係

ホヤの血は蛍光色?多様な芳香族化合物を持つ北海道産ホヤ

・化学で探る水産生物の生理・生態

渦鞭毛藻の「リンの無い脂質」を巧みに利用するシャコガイの不思議

・マイコスポリンで日焼けを防ぐシャコガイの巧みなメカニズム


海には私たちが水産資源とて利用している生物だけでなく、普段は全く目にしないような生き物が数多く生息しています。それぞれの生物が生息する環境に応じて進化して現在の海洋生態系が形成されています。生態系において生物はたがいに関わり合いながら生きています。その関係は、食べる-食べられるといった究極の関係から、生息場所の競争、他の生物との共生や規制、同種内での生殖行動、微生物やウイルスとの関わりなど多岐に及びます。これらの "関わり" には多くの場合、生物が作り出す化合物が関与していると考えられています。